SMをする人が、「ドS」「ドM」という言葉を使わない理由

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はじめに:「ドS」と「ドM」の一般的な誤解

はじめに:「ドS」「ドM」の一般的な誤解

SMに興味を持ち始めたあなたへ。
まず最初に、よく耳にする「ドS」「ドM」という言葉が、SMの実際の世界とは大きく異なるニュアンスで使われていることに気づいてほしいと思います。

「ドS」「ドM」──日常会話の中のラベル

日常会話では、「ドS」は厳しくて意地悪な人、「ドM」は痛みに耐えるのが好きなちょっと変わった人、というイメージで使われがちです。
たとえば、他人に厳しい上司を「ドSっぽい」と表現したり、冗談交じりに「自分ってドMだからさ」と言ったりする場面は少なくありません。

しかしこれは、本来のSMにおける「支配と服従(D/S)」の関係性とはまったく別物です。軽いジョークの中で使われる「ドS」「ドM」という言葉は、SMの深さや繊細な力関係、信頼と同意に基づいた関係性を大きく歪めてしまう可能性があります。

ドミナント/サブミッシブとは何か?

SMの世界で使われる「S」「M」は、単なる嗜好の分類ではありません。
より正確には、「ドミナント(Dominant)」=主導する側と、
サブミッシブ(Submissive)」=委ねる側、という関係性そのものを指しています。

このドミナントと、サブミッシブのドミサブの関係には、以下のような本質があります。

  • 合意:関係のすべてはお互いの明確な同意の上に成り立ちます。
  • 信頼:サブミッシブは心と身体をドミナントに預け、ドミナントはその責任を背負います。
  • 責任:支配する側こそが、相手の心身の安全を守る義務を負います。
  • 継続的なコミュニケーション:一方的ではなく、常にすり合わせを行う関係です。

つまり、ドミナントは「命令する人」ではなく、導き・守る存在であり、サブミッシブは「従う人」ではなく、信頼と敬意の上で主体的に委ねる人なのです。

ドS、ドMという言葉を使わない理由

SMやD/Sの関係性を真剣に築こうとする人々にとって、「ドS」「ドM」という言葉はあまりにも表層的です。

なぜならそれらは、人格の特徴やプレイの一面しか捉えておらず、「力関係=上下関係」や「サディズム=暴力」という誤解につながりかねないからです。
実際には、D/S関係は極めて丁寧で、繊細で、愛情深いものであり、単なる性格ラベルや嗜好の話では語りきれません。

SMコミュニティにおけるSとMの表現

日本では、SMの文脈を知らずに「ドS」「ドM」という言葉がカジュアルに使われますが、これは実際のD/S関係やS/M嗜好を単純化・誤解させてしまいます。

「ドS」は“性格がきつい人”、「ドM」は“変わった趣味の人”というように捉えられ、SMが暴力的・歪んだ関係性だという偏見につながることすらあります。

しかし、本来のSMは「信頼」に基づいた、極めて成熟した深い人間関係です。
表面的な性格分類や、性癖の話だけではなく深い関係性の設計が前提となります。


言葉を選ぶことは、関係性を大切にすること

SMを理解するうえで大切なのは、単なる「嗜好」ではなく、「どういう関係を築きたいか」を見つめることです。

  • S/Mは「何に快感を覚えるか」という嗜好
  • D/Sは「どんな関係性を望むか」というスタンスや考え方

これらを混同せず、正確な言葉で語ることで、SMの世界はより自由で、安全で、豊かなものになります。

だからこそ、
「ドS」や「ドM」ではなく、
「D/ドミナント」と「S/サブミッシブ」
そして「S/サディスト」と「M/マゾヒスト」という言葉を、正しく、丁寧に使っていきましょう。

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この記事を書いた人

ひののアバター ひの 日本最大級SMコミュニティLuna 代表

「安心して自分らしさを追求できる社会の創造」を使命として掲げ、株式会社Lunaを設立。世界46カ国10万ユーザーからの利用があり、毎月約10万件のマッチングが成立している「日本最大級SMコミュティ Luna」運営する。

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