スイッチャーってなに？　SMどちらも楽しめる嗜好を解説

2024年5月27日

自分には、Sっぽい嗜好もあるし、Mっぽい嗜好も両方ある気がする。こんな自分は、一体どんな性嗜好なのか、と悩んだことはありませんか？　そんな人は「スイッチャー」かもしれません。

スイッチャーとは、SとMの両方の嗜好性を持つ人のことです。この記事では、スイッチャーの概念について解説します。

スイッチャーとは

スイッチャーとは、S性とM性の両方の性的嗜好を持つ人を指します。「スイッチャー」という名前の通り、S性とM性のスイッチ（切り替え）ができ、相手や状況によって、S側でのプレイもM側でのプレイも楽しむことができる属性の人々です。

S性とM性の度合いには、人によって濃淡が異なります。普段はほとんどS側でプレイをしているけど、特定の相手や場面でのみM側でプレイをする場合や、逆の比率でM側を中心に楽しんでいる人、S性もM性も同じくらいの度合いで持ち合わせている人など様々です。

スイッチャーのパターン

スイッチャーのSとMの切り替えは、様々なパターンがあります。

相手によって切り替わる場合

代表的な例の一つは、相手によってSとMが切り替わるパターンです。「この人にはSとして接する」「あの人とはMとして接する」というようにスイッチします。

ここでの相手は、同じスイッチャーの場合はもちろん、S性・M性のどちらかだけを持つSMパートナーの場合もあります。

その時の気分によって切り替わる場合

スイッチャー同士でSMパートナーの関係を結ぶ場合、お互いの気分やプレイ内容に応じて、同じ相手でもSとMの役割が切り替わります。「今日は責めたい気分」や「たまには責められたい気分」のように、その時の雰囲気や気持ちによって立場を切り替えて楽しむことも。

また、苦痛系のプレイをする時はS側が好きだけど、快楽系の責めであればM側でも楽しめる、のようにプレイの種類でSとMの立場が分かれることもあります。

時期によって変わってくる場合

長年SMを楽しんでいる人は、S性とM性のバランスが徐々に変わってくる場合もあります。例えば、20代はずっとM側でプレイをしていたけれど、その時々で出会ったSMパートナーや好きなプレイの影響で、30代になりS側でのプレイも楽しめるようになった、という人も。

また、スイッチャーと似ている単語として「S転」と「M転」という言葉があります。これは、何かのきっかけで、嗜好性がS側もしくはM側へ完全に「転換」したという意味です。SとMを切り替える余地があるスイッチャーとは、似ていますが異なる意味を持ちます。

スイッチャーならではの視点

スイッチャーはS側でもM側でも当事者としてプレイができるので、両方の気持ちがつかみやすいという強みがあります。自分がM側で経験して楽しいと感じたプレイを、S側でも挑戦してみるなど、プレイの幅が広がることも。

ただし、逆側でのプレイ経験があるからといって「なんでも知っている」と思わずに、フラットな視点で相手の嗜好性と向き合うようにしましょう。嗜好性や感情は千差万別なので、一言でS・Mと言っても、その数だけ嗜好性があります。スイッチャーの目線からパートナーの嗜好を汲み取り、楽しいプレイを作り上げてみてください。

出会いの幅が広がる

相手によってSとMを切り替えられる人は、サドとマゾ両方に対して広く出会いの扉を開けておくことができます。もちろん、スイッチャー同士でパートナーシップを結ぶことも可能です。

ただし、確率論として出会いの幅が広いからといって、ほかの嗜好を持つ人々よりもパートナーを作りやすいとは限りません。理想のSMパートナーと出会い、関係を築いていくためには、スイッチャーの人もそうではない人も同様に、お互いが歩み寄り、関係を育む努力が必要です。

スイッチャーだからこその苦労も

相手の嗜好やプレイの内容、時期など、様々な条件で切り替わるスイッチャーという嗜好性は、多面的であるが故に理解してもらうことに苦労する場面もあります。SMを楽しむ人の中でも、未だに「SはS」「MはM」など、どちらかの嗜好性しか存在しないといったイメージを持つ人もいます。そのような人から、たまたま見せた一方の嗜好性だけで判断されてしまうこともあり、違和感や不快感を覚える可能性もあるでしょう。

スイッチャーもそうではない人も、嗜好性は多様で常に変化するもの。一つの側面で相手を決めつけずに、オープンな心でSMプレイを楽しみましょう。

編集：ユキ