ドミナントとサブミッシブとは：深い絆を築くSMの基本理解

2023年11月25日2024年4月5日

はじめに

SMに興味を持ち始めた方へ。この記事では、SMにおける二つの基本的なワードである「ドミナント」と「サブミッシブ」についてかんたんに解説します。

SMマッチングサイト Lunaでも記載をしていますが、SMを始めるとドミナントとサブミッシブ（ときによってはサブミッション）という言葉を聞くことがあります。

では、「ドミナント」とはなんでしょうか？

「ドミナント」とは、SMのプレイにおいてリードする役割を担う人を指します。いわゆる「支配」をする人です。多くの場合Sの人であることが多いです。そして、男性でもいますし、女性でもドミナントの方はいらっしゃいます。

ドミナントは、プレイ中に指示や命令を出し相手をコントロールします。
しかし、ドミナントはただ指示を出すだけではないんです。ドミナントは、サブミッシブの安全と快適さを第一に考え、信頼と尊重の上に関係を築きます。
彼/彼女らは、プレイの境界を設定し、サブミッシブの感情や反応に注意を払いながら進めていきます。

では、「サブミッシブ」とは何でしょうか？

サブミッシブは、ドミナントの指示に従う役割を持ちます。いわゆる、「服従」をする人です。
彼/彼女らは自発的にドミナントに服従し、その指示やリードに従ってプレイを楽しみます。重要なのは、サブミッシブが自分の意思と同意に基づいて行動すること。

ドミナントとサブミッシブの関係は、深い愛情の元、相互の信頼とコミュニケーションに基づいて成り立っています。この関係性は、お互いの合意と理解、そして愛情の上に築かれるもので、幸せなSM経験を味わうことができます。

SMの世界は本当に多様性に溢れており、自分にとって何が心地よいのか、どの役割が自分に合っているのかを探ることが大切です。
この記事では、ドミナントとサブミッシブについての基本的な理解をお話しますので、ぜひともLunaと共にあなた自身のSMの旅を歩んでみてください。

ドミナント（Dominant）とは

さて、SMの世界におけるドミナントの役割を理解する際、多くの人が犯しやすい間違いがあります。
それは、ドミナントが単に命令や指示をする人物だと思い込むことです。
サディスト（加虐的なこと）ができないので、ドミナントと名乗ってSMをしようとする方がいらっしゃいますが、命令をするだけのロールがドミナントではありません。

ドミナントの本質は、その根底にある「支配欲」にあります。これは、単に性的なプレイに限らず、日常生活においても相手を支配し、服従させたいという深い欲求から来ています。

ドミナントの支配欲は、人によってその度合いが異なります。中には、プレイ中だけ相手を支配したいと考える人もいれば、日常のすべての側面において支配的でありたいと考える人もいます。ドミナントの欲求のレベルは、その人の性格や価値観、SMに対するアプローチによって変わるのです。
そのため、単に「脱げ」とか「◯◯しろ」といった命令をすることがドミナントではありません。
命令を通して相手を支配すること。そして、その支配をする空気をつくることがドミナントが持つプレイの本質になります。

さらに重要なのは、ドミナントの根底にある「愛情」です。
ドミナントは、ただ単に服従する相手を都合の良いように使うのではなく、相手に対して愛情を持ち、その成長や幸福を願い、管理や育成を行うことがあります。
これは、ドミナントとサブミッシブの関係が単なる支配と服従の関係ではなく、理解と尊重、そして愛情に基づくものであることを意味します。

ドミナントという役割は、単にプレイにおける物理的な行為以上のもので、精神性にあると言われるのは上記のようなところにあります。
ドミナント自身の感情や欲求は、プレイに大きく関わっており、その感情を通して、サブミッシブとの関係において深い絆と理解を築いていくことが重要になります。

サブミッシブ（Submissive）とは

サブミッシブ（Submissive）の役割について、もっとわかりやすくお話しましょう。

サブミッシブとは、簡単に言えば、SMプレイにおいて支配をされて、服従し、従順な立場を取る人のことです。でも、これには大切なポイントがあります。

サブミッシブというのは、誰にでも従うわけではないんです。
サブミッシブの人は、特定のドミナント、つまり彼/彼女らが尊敬し、信頼を置く人にのみ従います。彼/彼女らは、このドミナントからの指示やコントロールを受け入れ、それを楽しむわけですが、それは尊敬する相手だからこそ。つまり、サブミッシブの心理は、特定の人に対する信頼と尊敬に基づいています。

よくある誤解として、「サブミッシブな人は何でも言うことを聞く」と思われがちですが、これは全く正しくありません。サブミッシブは、尊敬や愛情を持っているドミナントにだけ従うので、それ以外の人からの要求には従わないことが多いのです。
ドミナントとサブミッシブの関係は深い人間関係で作られていくものです。
サブミッシブの男性、女性が、誰にでも言うことを聞いてなんでも都合よく性欲の処理をしてくれたり、言う事を聞く道具だと思ってしまうと関係は破綻しますし、そもそもそんなドミナントは相手にされることがないでしょう。
相手を都合よくただの道具だと思うことは、プレイとしてはありですが、自分勝手にするのとプレイとして行うのは別のものです。
その誤解がないようにしましょう。

そして、サブミッシブの役割には、安心感や解放感を求める心理が関係しています。日常生活での責任や決断から一時的に解放され、選んだドミナントに導かれることで、彼/彼女らは心理的な安定や満足を感じます。
また、ドミナントからの注意や承認を求めることで、自己価値を感じることもあります。

このように、サブミッシブは自分の内面と深くつながり、選んだドミナントとの関係の中で新たな自分を発見することができます。

SMは痛いことをするものではない：サブミッシブの心理

SMと聞いて、多くの人が想像するのは、痛みや身体的な制約です。
特にサブミッシブやMの人に求めるのは痛いことや服従などかもしれません。
しかし、SMの本質は、痛みや身体的な束縛だけではありません。

特にサブミッシブな人々にとって、SMは「解放」を求める行為なのです。

サブミッシブの「解放」を求める心理とは？

日常の仮面

私たちは日常生活でさまざまな「仮面」をかぶっています。
会社での仮面、家族の中での仮面、友人との仮面など、それぞれの場で異なる自分を演じています。
これらは、心理学でいう「ジョハリの窓」の概念に通じるものです。
しかし、常に仮面をかぶっていることは、心に負担をかけます。
本当は、仮面を脱ぎ捨て、自分の素顔をさらけ出して、ありのままの自分を受け入れてもらいたいという欲求があります。これが「解放」への願望です。

解放への欲求

サブミッシブの人々は、この「解放」をSMの中で見出します。
日常の抑圧からの解放、性的な発散、心の奥底の欲望の解放など、SMは彼らにとって、多くの意味での解放を意味します。
そのため、ストレスを多く抱える方のほうが、解放をしたがる傾向が多くあります。

なぜ拘束が解放につながるのか

拘束の意味

サブミッシブな人々がSMで服従を求めるのは、不自由な状態によって逆に心が解放されるためです。
痛みや拘束は、日常からの一時的な逃避であり、心理的な負担からの解放を促します。

行動経済学における「選択のパラドックス」にも通じるこの現象なのですが、人は選択肢が多すぎるほどストレスを抱えます。
最もひとがストレスを感じるのは、決定をすることだという話もあります。
そのように、選択肢が多すぎる現代社会において、一時的にすべての選択肢や決定から解放されることが、心理的な安堵をもたらすのです。
それがサブミッシブの方たちにとっては解放に繋がり、精神の安定に繋がるのです。

まとめ

SMに興味を持ち始めたあなたにとって、ドミナントとサブミッシブの関係性を理解することは、充実したSM体験への最初の鍵になります。この関係は、単なる支配と服従以上のものであり、深い信頼、相互の理解、そして愛情に基づいています。

まずは、自分がドミナントに興味を持っているのか、それともサブミッシブに惹かれるのかを探ることが重要です。ドミナントとして、自分の支配欲や愛情の表現方法を理解し、相手を尊重し、彼らの成長を支援する方法を学びましょう。また、サブミッシブとして、自分が信頼し尊敬できるドミナントを見つけ、彼/彼女らの指示に従いながら、自分自身の内面を探求することも大切です。

ドミナントとサブミッシブの関係は、お互いの同意と理解の上に築かれます。
オープンなコミュニケーションを保ち、自分自身と相手のニーズに注意を払いながら関係を築くことを心がけましょう。安全で健全な関係構築は、SMの体験をより豊かで意味深いものに変えます。

Lunaと共に、自分に合ったSMの役割を探し、健全で愛情に満ちた関係を築くことで、SMの世界をより深く、楽しく探検していきましょう。自分自身の感情や欲求を理解し、相手との深い絆を築くことで、SMの世界が新たな色を見せるはずです。

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