SMをする人が、「ドS」「ドM」という言葉を使わない理由

目次

はじめに:「ドS」と「ドM」の一般的な誤解

SMに興味を持ち始めたあなたへ。最初に、日常的に使われる「ドS」と「ドM」という言葉についての一般的な誤解を明らかにしましょう。これらの言葉は、しばしば誤解を招き、実際のSMコミュニティの理解を曇らせることがあります。

日常におけるドSとドMの誤解

普段耳にする「ドS」と「ドM」という言葉は、しばしばジョークや軽口の中で使われます。「ドS」は、単に厳しい、または支配的な性格を指すことが多く、「ドM」は受身的、あるいは自己犠牲的な性格を指すことがあります。たとえば、厳しい上司を「ドS」と表現したり、少しマゾヒスティックな趣味を持つ友人を「ドM」と呼ぶことがあります。しかし、これらの言葉は実際のSMの世界では使うことはありません。

これらの言葉がもたらす誤解とSMコミュニティへの影響

日常的な言葉遣いでは、ドSやドMが単に性格特性を表すものとして扱われることが多いため、SMの実践における相互の合意、信頼、安全性といった重要な側面が見過ごされがちです。

実際のSMコミュニティでは、S(支配者)とM(従属者)という役割が、深い心理的なコミュニケーションと共感に基づいて形成されます。この関係は、お互いの同意と深い信頼に基づくものであり、日常的な言葉遣いで想起される単なる性格特性とは根本的に異なります。

ドS、ドMという言葉を使わない理由

SMコミュニティでは、「ドS」と「ドM」という言葉を使用しない主な理由は、これらの言葉が一般的に軽く、性格特性や行動傾向を表す際に使われるからです。例えば、日常生活で少し厳しい態度を取る人を「ドS」と呼んだり、逆に従順な態度を示す人を「ドM」と称するような場合です。このような使われ方は、SMコミュニティの実践とは根本的に異なります。

SMコミュニティにおいては、プレイの深い相互理解や信頼を基に構築される関係性が核となります。このため、一般的な使い方とSMプレイの文脈を区別し、混同を避けるためにこれらの言葉は避けられます。こうすることで、SMコミュニティ内のコミュニケーションは、より明確で正確なものとなり、参加者間の誤解を防ぐ助けとなります。

SMコミュニティにおけるSとMの表現

SMコミュニティでは、役割や嗜好を表す際に、「ドS」や「ドM」といった言葉を使用するのではなく、単純に「S」と「M」という表現が用いられます。これは、SMの実践における役割や関係性をより適切に反映するためです。

「S」とは、「サディスト(Sadist)」の略で、この役割を担う人は、SMプレイにおいて支配的な立場を取ります。彼らは、コントロールや指導を通じてプレイをリードし、しばしばサブミッシブ(M)に対して責任を持ちます。しかし、ここでの「S」は単なる厳しい態度を指すのではなく、相互の信頼と安全に基づいた責任ある行動を意味します。

一方、「M」とは、「マゾヒスト(Masochist)」の略で、SMプレイにおいて従順な立場を取る人々を指します。彼らは、S側の指示に従い、それを楽しむことによって満足を得ます。ここでの「M」は、単に従順な行動を指すのではなく、信頼と尊敬に基づいた関係の中での自発的な服従を意味します。

SMコミュニティでは、これらの言葉を使うことで、関係性の本質をより明確にし、プレイにおける相互理解を深めます。

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この記事を書いた人

ひののアバター ひの 日本最大級SMコミュニティLuna 代表

「安心して自分らしさを追求できる社会の創造」を使命として掲げ、株式会社Lunaを設立。全5万ユーザー・世界46カ国からの利用があり、毎月約6万件のマッチングが成立している「日本最大級SMコミュニティ Luna」運営する。

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