はじめに
本記事では、2009年に報じられた俳優デヴィッド・キャラダインの死亡事故を取り上げ、SMプレイに潜む窒息リスクについて予防方法と応急手当、安全に窒息プレイを楽しむための方法に焦点を当てて解説していきます。
SMプレイを安全に楽しむためにも、過去の事例から学び、適切な知識を身につけていきましょう!
事故の概要:デヴィッド・キャラダイン(David Carradine)死去の報道(2009年)

2009年6月、映画『キル・ビル』シリーズなどで知られるハリウッド俳優・デヴィッド・キャラダインが、タイ・バンコクのホテルで首と性器にロープを巻き付けた状態で死亡しているのが発見されました。最初は自殺と報じられましたが、後の調査により「快楽目的の首絞めによる事故死」である可能性が高いとされました。
首を圧迫することで脳の酸素供給が低下し、意識が遠のく感覚や性的興奮が増すとされています。しかし、適切な管理がされていないと意識を失ったまま窒息死してしまう危険性があります。
*参照元:David Carradine ‘was trying auto-erotic sex’ (The Guardian、 2009/06/05) https://www.theguardian.com/film/2009/jun/06/david-carradine-bangkok-death
SMプレイと窒息リスク

SMプレイの中には、一定のリスクを伴う行為がありますが、窒息プレイは最も危険なジャンルのひとつです。多くの医療専門家が窒息プレイのリスクを指摘しており、デイヴィッド・キャラダインのみならず過去にも著名人を含む死亡事故が報告されています。
窒息とは呼吸ができない状態であり、それによって血液中の酸素濃度の低下が起こり、心臓や脳などに機能障害を起こした状態になります。SMプレイにおける主な窒息リスクとしては、次のものが挙げられます。
1. 意識喪失のリスク
酸素供給が一定時間遮断されると、急速に意識を失う可能性があります。意識を失った場合、自分で呼吸ができる状態に戻すことができず、そのまま窒息死に至るケースが多く見られます。
2. 脳へのダメージ
数分間酸素が供給されない状態が続くと、脳の神経細胞が損傷する可能性があります。これは一時的な意識喪失だけでなく、脳機能の低下や記憶障害を引き起こすこともあります。
3. 心臓への負担
窒息状態が続くと不整脈や心停止を引き起こすリスクが高まります。
4. 首への物理的ダメージ
首吊りなどの場合は擦り傷や痣が残ることもあります。首の血管や神経が圧迫されることで血流が滞り、脳卒中や神経損傷が起こることがあります。その場合、手足の麻痺や、臓器の機能不全によりおしっこができなくなる、汗が出なくなるといったことが起こる可能性があります。
5. 単独プレイの危険性
一人で窒息プレイを行うことは非常に危険です。意識を失った際に助けてくれる人がいなければ、そのまま事故に至る可能性が極めて高くなります。
窒息事故を防ぐには?
まず、窒息プレイとは完全に窒息させるのではなく、窒息しそうな状態で得られる快感を活用したプレイであるということを頭に入れてください。(完全に窒息させるのは危険なので絶対にNGです!)
すぐに窒息プレイを中断すべきサイン

窒息を起こすと、
・咳
・喉をかきむしるような動作
・弱い呼吸
・顔が青くなる
・けいれん
・意識を失う
といった症状が見られます。もしこのような症状を少しでも感じたら、すぐに呼吸ができる状態に戻しましょう。
安全に窒息プレイを行うにはどうしたらいい?
特に初心者の方は、緩めの拘束や圧迫など、数秒で呼吸ができる状態に戻せる方法を使用した窒息プレイから始めるといいでしょう。そうすることで、事故の予防がしやすくなります。
窒息プレイにおいて重要なのは、窒息させる強さを上げるのではなく、いかに“窒息感を大きく感じさせるか”を心掛けることです。
また、意識を失うと転倒して頭を打ったりすることがあります。そのため、ベッドの上に座らせて窒息プレイを行うなど、転倒リスクに備えましょう。
万が一、窒息してしまったら?

どれほど注意していても、起きるときには起きてしまうのが予期せぬ事故です。万が一そうなってしまったときも、焦らず冷静に次の対処をしましょう。
①安全確認・・・安全な場所に仰向けに寝かせます。
②反応の確認・・・肩を叩き、大声で呼びかけて意識を確認します。意識があった場合は、呼吸を確認して横向きに寝た姿勢(=回復体位)を取らせて回復させながら、念の為に様々なリスクに備えて救急相談センターに相談しましょう。(♯7119)
③応援要請・・・反応がない場合は119番とAEDの手配。ホテルなどではフロントに連絡をして協力をお願いしましょう。
④呼吸の確認・・・口や鼻、胸やお腹を確認して通常の呼吸をしているか確認します。
⑤心肺蘇生・・・呼吸がない場合は、左右の乳首を結んだ線上の中心に両手を重ねた手の平を当て、胸骨を約5㎝の深さで絶え間なく押しましょう。1分間に100~120回のペース、胸骨圧迫30回につき人工呼吸2回を行います。
⑦AED ・・・AEDが到着したら電源を入れ音声ガイダンスに従ってパットを装着、電気ショックのスイッチを入れます。
⑧救急隊に引き継ぐ・・・救急隊の指示に従って下さい。
◇詳しくは「東京消防庁 電子学習 上級救命講習」をご覧下さい。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/contents/lifesaving_jou/contents01_1.html#beginning
*安心安全にSMを実践するため、消防庁の上級救命講習はおすすめです。是非、近隣の消防署に問い合わせて応急手当を学んでみて下さい(約8時間¥3,000~4,000で学べます)。
窒息は生死に関わる重大なリスクなので、事前に対応策を習得しておく必要があります。そうすることで、首絞め以外にも、呼吸管理、水責め、気道の異物(食べ物・吐瀉物・お道具を飲み込む)など、楽しめるプレイの幅も広がります。
SMプレイで事故を起こさないために

SMプレイの事故・事件は比較的レアケースではありますが、一度起きると死亡や大怪我など重大な結果につながりやすいことが知られています。ですので、医学的な側面と社会通念的な側面からしっかりと事前準備をすることが重要です。
具体的な事故・事件数は多くはありませんが、過去の事例から言えることは「合意と安全管理の徹底」が何より重要だということです。
まとめ
今回は、SMプレイの中でも最も危険なジャンルのひとつである窒息プレイについて、その危険性と安全対策を解説してきました。
SMプレイを行う際は、実施予定のプレイに関連するリスク、原因、予防、応急手当を事前に学んでおくと、今回ご紹介した事例のような望まぬ結果を回避しやすくなります。サディストやマゾヒスト以前にひとりの人間として、こうした安全に関する知識と意識を持っておくと役立ちますし、かっこいいですね。
協力:SM Academy
監修:Dr.N https://x.com/SM_Dr_N
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