【当事者インタビュー】SM婚の魅力とは？〜シンさん編〜

2024年8月31日

SM愛好者の中には「SM婚」に憧れを抱く人も少なくありません。

SM婚とは、S嗜好を持つ人とMの思考を持つ人同士が婚姻関係を結ぶこと。結婚は法的に入籍をするケースもあれば、事実婚など多様な形がありますが、人生を共に添い遂げる約束をする強いパートナーシップの形です。

この記事では、数年前にSM婚をしたM男性のシンさんに、当事者の視点から魅力や日常生活で気をつけている点をインタビューしました。

シンさんのプロフィール
- 結婚生活：SM婚 6年目
- シンさんの嗜好性：サブミッシブ寄りのM男性（30代）
- お相手の嗜好性：S寄りのドミナント（30代）
- 出会い：結婚相談所での紹介

SM婚活の苦難を乗り越え、スピード婚を果たした

——本日はよろしくお願いいたします。まず、自己紹介をお願いできますか？

シン「はい。シンと申します。僕は物心がついたときからMで、性格的にも人に尽くすのが好きサブミッシブの嗜好が強いタイプでした。現在は、Lunaが存在していなかった時代に掲示板やSMバー、合コン・街コン・結婚相談所などを使って130人近くの女性と出会い、その中で見つけたお相手と結婚し、SMライフを楽しんでいます」

——元からS女性との結婚を希望していたのでしょうか？

シン「はい。過去にノーマルの方とも数人お付き合いしたこともありましたが、全然長続きしなかったんです。なので、結婚は絶対にS女性としたいと考えていました」

——どのようにお相手を探していたんでしょうか？

シン「当時は、LunaのようなSMマッチングアプリがなかったので、SM掲示板やSMバーをはじめ、大手の結婚相談所や通常の街コンや合コンなど、あらゆる手段を使っていました。合計130人ほどの女性とデートをして、累計で数百万は使ったと思います。掲示板で出会ったS女性さんとは、結婚も考えていたほどの仲になれたのですが、結局騙されて400万円ほど盗られたこともありました（笑）」

——それは大変でしたね。今の奥様とはどのように出会われたんですか？

シン「様々なツールを使っていましたが、最終的には通常の結婚相談所でしたね。入会後に50人くらいとお見合いをした後に出会いました。お見合いした相手のうち、もしかしたら嗜好を受け入れてくれるかも…？と思った5％くらいの女性には自分の嗜好を伝えるようにしていたのですが、それを広く受け止めてくれ、日常生活も上手くいくと確信できたのが彼女だったんです。デート2回目でプロポーズして、付き合って1年以内に入籍しました。デート時間は、計3時間くらいでしたね」

——スピードSM婚ですね！　シンさんが今送っているSM婚生活はいかがですか？

シン「普通の仲良し夫婦と変わりませんよ！　ただ、SMという性的嗜好がちゃんと合致しているので、性的な我慢をせずに済む点はメリットだと感じます。お互いの性的欲求が満たされることで、昼間の生活も前向きに向き合うことができています」

SM婚の魅力は「性の不一致がない」こと

——そのほか、SM婚ならではだと思うことはありますか？

シン「隷属関係を日常的に築けることでしょうか。僕たちは、普段はゆるゆるとした隷属関係、プレイ中は厳しい隷属関係を楽しんでいます。私は相手に支配され、相手に尽くすことになによりの幸せを感じるタイプ。普段は僕が妻より早く起きて、掃除・炊事・洗濯を済ませ、朝ご飯を作るのが日常です。妻は立ち仕事が多く疲れていることが多いので、全身をマッサージをするのも僕の日課です。マッサージや家事の最中、僕は妻から電気首輪をつけて頂いているので、ちょっとでも手を抜こうとすると妻から電撃が飛んでくるんです（笑）。とにかく僕は、妻が快適に暮らせるよう日々尽くし、そのご褒美として支配していただいています」

——とっても楽しそうです（笑）。そんなシンさんの思う、SM婚の魅力を教えてください。

シン「先ほども少し話しましたが、やはり性の不一致がなく、お互いに我慢しなくて済むことです。これに尽きます。もちろん、一致させていくための話し合いも大事にしています。僕たちは毎月”夫婦ミーティング”を開いています。美味しいケーキを食べながら、日常生活のことからプレイの話まで、ガッツリ話し合います。『食事の後の食器は僕が洗うけど、水に浸しておいてくれるとうれしいな』『次はここのSMホテルに行ってみたい』『こんなプレイに挑戦したい』など。付き合い始めた当初より、話し合いを重ねた今の方が幸せです。年々、愛情が深くなっているのを感じますね」

——定期的に話し合いの場を設けるのは良いですね。でも、言いづらいと感じることはないのでしょうか？

シン「もちろん、言いやすいことばかりではありません。もし伝えにくいなと感じることをいう時には、まず感謝から伝えるようにしていますね。心から妻に感謝していて、世界一幸せなマゾだと、妻にしっかりと伝えます。妻も、普段から感謝の気持ちを僕に伝えてくれます。あと、日々のことをちゃんと頑張っていると、ミーティングの時に伝えた希望のプレイをしてくれたり、ご褒美をくれたりするんです！　そんな生活を送っているので、ますます妻を喜ばせたいと思いますね」

——お互いに感謝の気持を伝えることが大事なんですね。最後にSM婚を目指す方に応援のメッセージをお願いします。

シン「性癖を隠したり、性の不一致を我慢したりすることから開放されて、僕は今とっても幸せです。当時はLunaのマッチングサイトがなかったので、婚活する上で130人以上の女性と出会い、たくさんのお金をかけるなどとても苦労しました。でも苦労した分、本当にそう思います。性癖で悩んでいるみなさんもぜひ、SM婚を目指してみてほしいなと思っています」

編集：ユキ